外反母趾の原因はハイヒールやパンプスではない
外反母趾の原因は、女性、遺伝、体質、環境です。
外反母趾は女性特有の症状として理解されています。
外反母趾が女性に多いのは、ハイヒールやパンプスが原因ではありません。
先の細い靴が外反母趾の原因であるという認識は間違っています。
先の細い靴は足の指を圧迫させますが、二次的な原因でしかありません。
ハイヒールやパンプスを履かない女子小中学生にも外反母趾は見受けられます。
生涯靴を履かない地域の人たちを調査しても、
女性の外反母趾患者は男性の三倍以上に達します。
女性であるだけで外反母趾になりやすいのです。
女性は男性と比べて、筋力も弱く、関節も浅く作られています。
女性は男性に比べて筋力が弱いため、重力の影響を多く受けてしまいます。
その重力とのバランスをコントロールしているのが足裏なのです。
外反母趾は一種の現代病と言えます。
土の上を下駄や草履で歩いていた時代には考えられなかった症状です。
ところが、戦後高度成長期に入ると歩く事が少なくなり、
現代人は足裏への刺激が格段に少なくなり、足底筋が衰えて体が不安定になっています。
刺激が少なくなり、反射機能が衰えてくると、
足裏のアーチを作っていた靱帯が緩んできます。
中でも最も重要な、
親指の付け根から小指の付け根にかけて締め付けている中足靱帯が衰えて、
付け根の骨が広げられる事で、親指の指先が外側に曲がってしまうのです。
つまり、外反母趾の原因は、足のアーチ構造を支える"背側骨間筋"の筋力低下なのです。
本来、母趾外転筋と母趾内転筋のバランスがとれていれば、
足の第一指はまっすぐに伸びています。
ところが、開張足でそのバランスが崩れ、内側の方へ引っ張る力の方が強くなると、
足の第一指が第二指側に曲がってしまいます。
一割の人には遺伝的要素が見受けられます。